好きな小説。小学生の頃に夢中になったのはミステリー小説。
小学6年で転校をしたのだが、
友達と遊びに行くという機会も少なく、
かといって家にこもっているのも居心地悪く、
時折、自宅の近くの図書館に通って暇つぶしをしていた。
そのときに、図書館の膨大な本のなかで何を読んだらいいかわからず、
参考にしていたのは、学校から提示された「推薦図書」。
とにかく推薦図書を全制覇することを目標に、片っ端から読み、
その中でもミステリー小説にはまった。
夏休みは、
江戸川乱歩の怪人21面相や、コナンドイルのシャーロックホームズ、
さらには横溝正史の金田一耕助、西村京太郎のトラベルシリーズなどを
朝から晩まで読んでいた記憶がある。
どこの図書館にも置いてあるシリーズだと思う。
大人になってからは湊かなえさんのミステリー小説に一時期はまったが、
やはり思い出深いのは、最初の出会いというか、
小学生の頃の読書の記憶。忘れられない小説の1つ。
あらすじは、
島に招き入れられた10人の男女、年齢や職業もさまざまでお互い面識はない。
やがて夕食の席上で彼らの過去を暴かれ、不気味な同様とともに次々と殺され
ていく。そしてー
なぜこの小説を読んだのだろう?推薦図書だったのか?
覚えていないが、もしかしたらこのタイトルが目を引いたのかもしれない。
これは1939年の作品。今更ですが、戦前ということに驚く。
また、短い小説なので、比較的読みやすいと思う。
【犯人は必ず暴かれ、捕まる】と思っていた幼い私は、
それは固定概念、偏見だったことに気づかされ、
最後の最後に衝撃を受けた。
犯人は物語の当初からおおよそ検討がついている、そして捕まる、
というのが定説(勧善懲悪の時代劇を見すぎか?)だと認識していたのに。
全く想像できなかった犯人。
孤島という、密室に似た状況に、
お互いに疑い始める恐怖の展開、
そして驚きの犯人の告白。
アガサ・クリスティー小説の定番、ポワロは出てきませんが、
完成度の高さに驚いた小説。
これでクリスティーにドはまりしました。
オリエント急行はこの次に読んだかな。
色あせないミステリーの一級品。おすすめです。
今週のお題「好きな小説」